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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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観劇・読書メモ 29

平成28年6月1日から12月31日の実況です。項目ごとに、日付を遡る形で記載しています。
ひとつ前の 平成29年3月26日~7月10日 の実況はこちら。
ひとつ後の 平成30年1月1日~6月30日  の実況はこちら。



観 劇:

【観劇マナー】
上演中、
コンビニのビニール袋ノド飴の小袋のシャカシャカ音は、劇場じゅうに響きます。
ビニール袋は手元に置かず足元に。ノド飴は開演前に口に含む。
上演中は、暑くても扇子で あおがない。
(扇子がちらちら動くと周囲や後ろの人たちに目障り!)

【演劇の通ぶって
上演中に変なタイミングで笑う困ったひと】
赤坂レッドシアターや下北沢のスズナリのような小劇場で、どてっとした黒い鞄をひざに置き、
小太りでハゲ頭の男を見たら要注意。一度、注意したのだけど、なかなか治らないようだ。みんなで注意してやりましょう。


300205 新国立劇場演劇研修所第11期生修了公演 美しい日々 @ 新国立劇場 小劇場 作: 松田正隆、演出: 宮田慶子、出演: 川澄透子(とうこ)、バルテンシュタイン永岡玲央(れお)、上西佑樹(うえにし・ゆうき)
(昭和50年代の安アパートの隣室どうしで起こった小さく大きなドタバタが、時を経て熊本県八代でつながる。舞台美術は劇終末の不知火の光景が絶品。)

291009  トロイ戦争は起こらない (La guerre de Troie n'aura pas lieu) @ 新国立劇場 中劇場 作: Jean Giraudoux 訳: 岩切正一郎、演出: 栗山民也、出演: 鈴木亮平、一路真輝、鈴木 杏、谷田 歩、江口のりこ、花王おさむ
(昭和10年、ジロドゥ53歳の作。躍動感はあるが、会話が凝縮されていて難解。最後列に坐った者としては、もう少し音楽を入れてくれると気を失わずに済んだのだが…。一路真輝さんが美しい。終演後、宮田慶子さんと役者4人のトークあり、一路さんが随分とトンデるひとだと分った。)

291004 キャラメルボックス2017 グリーティングシアター 光の帝国 @ Theatre 1010 作: 恩田 陸、脚本・演出: 成井豊・真柴あずき、出演: 関根翔太、原口健太郎、家納ジュンコ、鍛冶本大樹
(久々のキャラメルボックス公演観劇。ロックミュージックとダンスの冒頭の懐かしさになごむ。原作「大きな引き出し」の SF 仕立てが、今ひとつ不発だ。2年分の会費を払って風呂敷とハンドタオルをいただいた。)

290831 ワーニャ伯父さん @ 新国立劇場 小劇場 作: Anton Chekhov 上演台本・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ、出演: 段田安則、宮沢りえ、黒木 華、山崎 一、横田栄司、ギター演奏: 伏見 蛍
(あのひとはどう思ってんのかなぁ~と他人の思いを推し量る瞬間って、第三者から見ればユーモラス度がめちゃくちゃ高まってるんだね。宮沢りえさんは、さすがに華があるけれど、うちの彼女のほうがきれいだ。横田栄司さんがやたら はえて、段田さん・山崎さんが不発だった。)

290809 小名高シアター震災復興支援プロジェクト 福島県立小名浜高等学校演劇部公演 三人家族2017 @ せんがわ劇場 作: 石原哲也、出演: 伊沢 舞、大友啓光(ひろみつ)、森田兼樹(かねき)、高橋 柊(しゅう)
(青雲寺の跡継ぎ問題に、長男のほのかな恋愛がからむ。福島の人々が東電で働く人々にどう向き合うべきなのか、心にしみる答えを出す。)

290728 紙屋町さくらホテル @ 保谷こもれびホール 作: 井上ひさし、出演: 七瀬なつみ、高瀬和也、相島一之、たかお鷹
(昭和20年原爆投下直前の広島。2日後に迫った特別公演を前に猛稽古中の移動演劇隊・さくら隊。昭和天皇の密使として身分をひた隠しにする海軍大将にからむ特高刑事は戦後 GHQ 側に雇われて海軍大将に再会する。井上ひさし ながら、戯曲では共産党色を封印しているね。)

290724 怒りをこめてふり返れ @ 新国立劇場 小劇場 作: John Osborne 演出: 千葉哲也、出演: 中村倫也、中村ゆり、浅利陽介
(昭和31年ロンドン初演の作品。貧しい若者たちの RENT の世界だが、主人公はもっと不器用で、それゆえに粗暴。しかし彼から離れない友人とカノ女。シナリオがあまりに粗暴で、第1幕は乗れなかった。地味な結末がしっかりと大団円になっていて感動した。)

290720 レナード・バーンスタイン生誕100年記念ワールドツアー West Side Story @ シアターオーブ

(来日公演。最前列中央で見る。踊りの振り付けが やや地味だが、現代劇らしい演出と見た。トニーが優等生すぎて、ほかのジェッツの若者たちから浮きすぎてて、違和感。)

290713 イヌの仇討 @ 紀伊國屋サザンシアター 作: 井上ひさし、出演: 大谷亮介、彩吹真央、久保酎吉、木村靖司、三田和代、植本 潤
(蔵に隠れた吉良上野介ら。吉良こそもっともであり、大石内蔵助こそ不届きという説得力ある展開。初演以来29年ぶりの上演。もっと何度も演じられてよい演目のはずだが、不思議。アフタートークは米沢市上杉博物館の角屋由美子さん。)

290707 世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演 子午線の祀り @ 世田谷パブリックシアター 作: 木下順二、演出: 野村萬斎、音楽: 武満 徹、出演: 野村萬斎、成河、若村麻由美、村田雄浩、今井朋彦、河原崎國太郎
(シェークスピア劇の蜷川版を観ているような充実した満足感。萬斎さんのアフタートークあり。)

290630 Theatre Moments パニック @ せんがわ劇場 作: 安部公房、演出: 佐川大輔、出演: 桑原洋一、松浪淳平、中原くれあ、豊田可奈子
(ダークなスリラーを存分に楽しめた。松浪君の芝居を観るのは、たぶんこの日が最後になるのかな。同時上演は劇団820製作所の「踏みはずし」。帰りに「走れメロス」と「幸福な王子」の DVD を購入。)


旅先にて:

290618 Helmhaus Zurich
(教会堂と一体になっていて、入り口前のスペースでは若い女性3人が弦楽三重奏を聞かせてくれていた。"things are getting better all the time" と題した3人展。Anne-Lise Coste のヴィヴィッドなクレヨン画。Dieter Hall の男性ヌードの大型モノタイプ作品やコラージュ作品。David Chieppo の油画。|このあとオペラハウスまで行き橋を渡って駅に戻る観光散歩でチューリヒの旅を終えた。)

290618 Cabaret Voltaire
(ダダイズム発祥の場所。もっと味のあるところかと思ったら、投げやりな倉庫の一角みたいな場所だった。歓楽街というほどでもないが、いちおう飲み屋の集まる街の、いわば穴場みたいなところだ。閑散としていて「カフェが開くのは夕方4時からよ」だってさ。もっと観光地として気合をいれて整備してあるものと想像していたが。)

290618 LUMA Westbau
("89plus: Americans 2017" と題した米国現代アーティストたちのグループ展。Chinese-American の女性の映像+α の展示がおもしろい。映像の台本らしきものに推敲の朱筆を入れたものをアート作品として展示していた。)

290618 Kunsthalle Zurich
(Michael Riedel の個展 "CV" (=Curriculum Vitae). 印刷デザインの外延を追究した硬派な現代アートだ。)

290618 Eva Presenhuber
(Valentin Carron の個展 "Insieme". 透明・緑・茶色のつるりとした壜を人型に並べたインスタレーションがおもしろい。作ろうと思えば誰でも作れるじゃないか、と言えば言えるが、最初に作ったのが偉いのである。壜が並んでいるだけなのに哲学的な気分を醸し出してくれるから「かたち」というのはふしぎだ。)

290618 Migros Museum fur Gegenwartskunst
(Maja Bajevic の個展 "Power, Governance, Labor" は現代社会の状況にアートの切り口でアイロニーをぶつける。常設展はスタンダードな現代アートで見ごたえあり。コーンウォール語などの消滅言語を聞かせる映像インスタレーションが興味深い。)

290618 Hauser & Wirth
(規模の大きい、メジャーな画廊だ。1階では、Art Basel の Unlimited でも動く映像棒の展示があった Jenny Holzer の個展、2階はインスタレーションを含む現代アート、3階はピカソや Alexander Calder など。)

290617 Design Miami/Basel
(Art Basel の Hall 1 と一体の建物の、路面電車を挟んで反対側のほうで開催。てっきり Art Basel の一部と思っていたら別催しで、入場料 30 CHF を払った。デザインと言っても、家具と工藝品。Art Basel があまり得意でない部分を埋める企画といえる。)

290617 Museum der Kulturen Basel
(パプアニューギニアの高さ 16.8 メートルの礼拝の館 Kulthausfassade Mbai が圧巻。ポリネシアものが充実しているほか、個々の展示物を見ているとそれなりに面白いのだけど、体系化されていないオモチャ箱の感あり。館内用ガイドブックの持ち帰りをとがめられてポンと投げて置く香港ばあさんを注意したら、None of your business! と言い返してきた。後で考えたら、モノを投げるのは彼らにとっては当たり前のことだったね。)

290617 Art Basel|Parcours
(野外展示を見に大聖堂周辺の旧市街地区へ。大聖堂前には、艾未未の重厚なる樹木のインスタレーション。子供たちがインスタレーションを制作しているエリアもあった。)

290617 Art Basel
(Gagosian の壁面展示が替わっている。聞くと、部分的に毎日替えているのだと言う。逆に言えば、VIP 向けの 2日間のプレヴュー期間にしか展示されなかった作品もおそらく沢山あるということだ。だって、会場を回っていても、赤丸がついているものがほとんどないものね。たぶん、赤丸ものは入れ替わってしまったのだろう。けっきょく、アートバーゼルを全制覇というのは所詮ありえないことなのだろう。後ろ髪を引かれるようにして午後4時ごろ会場を後にする。)

290616 Art Basel
(Hall 2 の画廊展示を引き続き夜7時の閉館まで見る。新作群と並んで、ピカソやエゴン・シーレ、マグリットなどの作品がぽんぽん並んでいるのは、例えて言えば東京のフェアで古美術が並んでいるのと同じかな。)

290616 Kunsthaus Basel|Gegenwart
(現代アートのうちでも、もっとも尖端的でついていきにくい路線の開拓者たちの作品を収める。大衆向きではない。企画展は Richard Serra の映像作品。上の階には Joseph Beuys のガラス棚インスタレーションなど。)

290616 Museum Tinguely
(Tinguely がバーゼルの人々からいかに愛されているかが伝わってくる。タングリー(ティンゲリー)の動くインスタレーションの数々の常設展示に加え、企画展は人工物の意味を問い直す Wim Delvoye の消化器官機械や装飾タイヤなど。Jerome Zonder のダークなドローイングを Tinguely の常設展示「メンゲレの死のダンス」にぶつけた企画も。)

290615 Art Basel
(画廊出展の Hall 2 のほうから入ったのだが、フェア全体の会場配置がよくわからず戸惑う。ようやく Hall 1 に移れて、メガ展示=博覧会の Unlimited をじっくり見て回る。Song Dong さんのインスタレーション Through the Wall や Stan VanDerBeek さんの映像インスタレーション Movie Mural, 1965-1968 など、体感・体験型のアートがすてきだ。その後、Hall 2 に移って3分の1ほど見て回る。)

290614 Kunstmuseum Basel
(Swiss Travel Pass で見放題。4時半から8時までじっくり観た。本館の常設展はホドラーの超大作をはじめ見ごたえ十分。小さめの部屋割りごとに作家やスタイルを揃えて、部屋ごとの美のメロディーがある。新館の企画展は、Otto Freundlich 回顧展と Cezanne スケッチ展を見た。)

290614 VOLTA 13 @ Markthalle, Basel
(71の粒選りの画廊が出展。予想よりレベルが高くて、12時から4時までじっくり見た。日本からの出展も5つ。台湾1、中韓ゼロ。G MoMo 出展の村田朋泰さんの新作「松が枝を結び」が紡ぐ 3・11 の悲しみの物語が心に沁みた。女の子たちのしぐさもじつに自然で、完成度の高いビデオ。G 小暮は内田里奈作品を出展。卒展で見て以来、消えてほしくない作家だったが、海外にまで立派にファンを作っている。うれしい。YOD は蛇目さんを出していた。|アートフェアはブースで対話が始まるのがいいね。ちょっと引いちゃうときもあるけど。)

290613 Kunsthaus Zurich
(道路を挟んで新館増設のための掘削作業中だったが、展示は問題なく見ることができた。Giacometti 一族の作品群も充実しているし、Hodler の部屋も神殿のごとく素敵だ。Valotton の諸作品もよかった。中世美術は次回に回した。)

290613 Landesmuseum Zurich
(スイスについてのベーシックな紹介展示も、いいセンス。3階では「ロシア革命とスイス」の企画展。)


イベント:

291005 奥泉光×いとうせいこう 文藝漫談 season 4 島尾敏雄『死の棘』 @ 成城ホール(世田谷区成城六丁目)
(客席がいつもより低調。『死の棘』は長篇だが予定調和的作品のように思えた。終演時のフルート演奏+朗読は、これまででいちばんよかったかも。)

290704 奥泉光×いとうせいこう 文藝漫談 season 4 野坂昭如『エロ事師たち』 @ 成城ホール(世田谷区成城六丁目)
(『エロ事師たち』は、小説界の現代アートと言うべし。)


観 映:

291015 Ang Babaeng Humayo/The Woman Who Left(立ち去った女) @ シアター・イメージフォーラム(B1F) 監督・脚本・撮影・編集: Lav Diaz 出演: Charo Santos-Concio, John Lloyd Cruz, Michael de Mesa
(3時間48分の映画、途中休憩なし。トイレに行かずに観とおせた。平28の第73回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。コントラストの強い白黒の活動写真。ひとつひとつの場面が長尺で、世界を隅々までなめるように見て没入できた。)

291001 大学の暴れん坊 @ 神保町シアター 監督: 古川卓巳、出演: 赤木圭一郎、芦川いづみ、葉山良二、白木マリ、稲垣美穂子、藤村有弘、二本柳 寛
(昭和34年作。地上げヤクザがあれほど暴れても警察が出て来ないし、だいいち警察を呼ぼうともしない。昭和34年はまだそういう時代だったか。銀座のキャバレーで暴れる外人にユセフ・トルコが扮する。ぼくが知っているユセフ・トルコはプロレスのレフェリーでしかなかったけれど、現役時代をこうして映画で見られた。久々の芦川いづみさん、さわやかですてきだった。台本がややリアリティを欠いたのが惜しまれる。|上映前に荒れる客がいた。トラブルの新パターン。観映後、タイムスリップを続けてカフェミロンガでシナモンコーヒーとピザ。)

290926 На млечном путу, Na mlečnom putu (On the Milky Road オン・ザ・ミルキー・ロード) @ TOHOシネマズシャンテ 監督: Emir Kusturica  出演: Emir Kusturica, Monica Bellucci, Sloboda Mićalović, Predrag Manojlović
(母国で起きたボスニア戦争を、ここまで突き放して悲喜劇に仕立てる力量。隼や鶏、蛇、熊、蝶、蜂を巧みにあやつる映画術も冴えている。演劇では決して再現できない、映画ならではの虚実がある。愛する女を記念する荒野の石の原のラストシーンは永遠に胸に残る。)

290923 男はつらいよ @ 神保町シアター 監督: 山田洋次、脚本: 山田洋次・森崎 東、音楽: 山田直純、出演: 渥美 清、倍賞千恵子、前田 吟、森川信、三崎千恵子、笠 智衆、志村 喬
(昭和44年作。さくらは丸の内のオリエンタル電機のキーパンチャーだ。寅さんが派手に立ち回ると読んだことがあったが、それほどでもない。さくらとひろしは、さわやかな恋だ。8年ぶりに息子と対面するひろしの父を志村喬さんが演じ、いい味。)

290916 METライブビューイング2015-16 Richard Wagner: "Tannhaeuser" (タンホイザー) @ 東劇 指揮: James Levine 演出: Otto Schenk 出演: Johan Botha, Michelle DeYoung, Eva-Maria Westbroek, Peter Mattei, Guenther Groissboeck
(ドイツ語、平271031公演。第1幕冒頭のヴェーヌスベルクの官能美。きわどいまでの くんずほぐれつ。そのままベルリンの売笑窟に移し替えた演出も十分にありそうだ。名高い行進曲で、じんときた。オペラ映画でじんときたのは、はじめてかも。)

290916 METライブビューイング2016-17 Richard Wagner: "Tristan und Isolde" (トリスタンとイゾルデ) @ 東劇 指揮: Simon Rattle 演出: Mariusz Trelinsky 出演: Nina Stemme, Stuart Skelton, Ekaterina Gubanova, Rene Pape, Evgeny Nikitin
(ドイツ語、平281008公演。舞台美術は20世紀の中型船の切断面。異なるフロアや階段室で出来事が展開し、秘め事がモチーフの本作をしっかり受け止めた演出だ。)

290914 私たちの結婚 @ 神保町シアター 監督: 篠田正浩、脚本: 松山善三・篠田正浩、出演: 倍賞千恵子、牧紀子、東野英治郎、沢村貞子、三上真一郎
(昭和37年作。オート三輪の運転手と結婚した恋女房が妊娠を心から喜んでいるところに「カネを集めてきたから、堕ろせ。育てられるわけがないだろ」と迫る男。拒否する女だが、産婦人科から出てくるところをバスから目撃する牧紀子と倍賞千恵子。昭和37年になっても、日本は貧しかったのだね。姉妹の父親は酒飲みの海苔漁師、東野英治郎さんがいい味。)

290908 METライブビューイング2010-11 Gioachino Antonio Rossini: "Le comte Ory" (オリー伯爵) @ 東劇 指揮: Maurizio Benini 演出: Bartlett Sher 出演: Juan Diego Florez, Diana Damrau, Joyce DiDonato, Stephane Degout
(フランス語、平230409公演。お茶目なオペラだ。伯爵夫人アデルが守る館に集う若い女性たちの装束がセクシー。修道女に化けたオリー伯爵と伯爵夫人アデルと小姓イゾリエが(設定としては闇のなかの)ベッド上でくんずほぐれつしながら歌う長丁場は、オペラというより、もう小劇場演劇の楽しさだ。)

290904 あいつばかりが何故もてる @ 神保町シアター 監督: 酒井欣也、出演: 渥美清、倍賞千恵子、松原緑郎、田中春男、三木のり平、清川虹子、桂小金治
(昭和37年作。「男はつらいよ」第1作が昭和44年作だから、それをさかのぼること7年だが、その萌芽が随所に。倍賞千恵子演ずるマリ子に かなわぬ恋心をいだく構図といい、立ち回りの末に渥美清演ずる善六が大団円に導くがはにかみながら去るところといい。最後のほうで、ずばり フーテンの寅さんの格好も出てくる。「男はつらいよ」の第0作、と言ってもいいくらいだ。)

290902 METライブビューイング2008-09 Gaetano Donizetti: "Lucia di Lammermoor" (ランメルモールのルチア) @ 東劇 指揮: Marco Armiliato 出演: Anna Netrebko, Piotr Beczala, Mariusz Kwiecien, Ildar Abdrazakov
(イタリア語、平210207公演。8年前の舞台だから、ネトレプコさんも ういういしい感じだ。ルチアの兄のエドガルドがお家のためと弄する策が陰湿で嫌らしい。同じく悲劇でも、利己のために ひとの運命をもてあそぶ巨悪は「ロミオとジュリエット」や「ウェストサイド物語」には無い。)

290901 METライブビューイング2014-15 Franz Lehar: "The Merry Widow" @ 東劇 指揮: Andrew Davis 演出: Susan Stroman 出演: Renee Fleming, Nathan Gunn, Kelli O'Hara, Alek Shrader, Thomas Allen
(英語、平270117公演。英語上演のオペラがいかに聞き取りにくいものか、今さらながら痛感。第3幕がパリのキャバレーの場面で、華やいだ。)

290830 Blanka(ブランカとギター弾き) @ シネスイッチ銀座 監督・脚本: 長谷井宏紀、出演: Cydel Gabutero, Peter Millari
(平27イタリア映画、全篇タガログ語。ストリートチルドレンがリアルに描かれる。主演のサイデル・ガブテロさんは平16年生まれの11歳で、15歳のブランカ役を生きた。)

290817 METライブビューイング2014-15 Pietro Mascagni: "Cavalleria Rusticana"; Ruggero Leoncavallo: "Pagliacci" (道化師) @ 東劇 指揮: Fabio Luisi  演出: David McVicar 出演: Marcelo Arvalez, Eva-Maria Westbruck, Patricia Racette, George Gagnidze
(イタリア語、平270425公演。アルヴァレスさんの劇的表現に引き込まれる。ストーリーはどちらも愛が裏切られたゆえの男の暴走劇。)

290612 Beauty and the Beast @ タイ航空の機上にて 出演: Emma Watson, Dan Steven, Kevin Kline, Luke Evans, Josh Gad, Ewan McGregor
(この完成度の高い実写版を見てしまうと、もうアニメ版は安っぽくて見ていられないかも。狼に囲まれた Belle を野獣が救うシーンが感動的。Gaston が悪魔超えのあまりに不愉快きわまりない人格に仕上げられていて、こいつがゆえにこの映画はちょっと2度観る気になれない。2度目以降観るなら、自分なりのダイジェスト版を作りたいな。|Philips の消音ヘッドホンで聴いたら、機上なのに音楽も透き通るようだった。)

290610 METライブビューイング2016-17 Richard Straus: "Rosenkavalier" (薔薇の騎士) @ 東劇 指揮: Sebastian Weigle  演出: Robert Carsen 出演: Renee Fleming, Elina Garanca, Erin Morley, Guenther Groissboeck, Matthew Polenzani
(ドイツ語、平290513公演。じつに楽しめるスジ立て。第3幕の楽しいお部屋の場面など、ミュージカルの楽しさとオペラの気品がひとつになっている。劇中の歌藝人のチョイ役に、主役級のポレンザーニさんを充てるのだから MET は贅沢だ。)

290607 一周忌追悼企画・蜷川幸雄シアター ヴェニスの商人 @ 新宿バルト8 作: William Shakespeare 演出: 蜷川幸雄、出演: 市川猿之助、中村倫也、横田栄司、高橋克実
(猿之助さんの気迫が炸裂する。この公演はぼくも埼玉で観たような気がする。全男優配役なので、ポーシャが法学者に扮する場面の声は自然な男声に戻る。女優が法学者を演じると、どうしても違和感を感じるので、全男優配役に軍配だ。)

290601 青梅竹馬 (Taipei Story 台北ストーリー) @ ユーロスペース 監督: 楊徳昌(Edward Yang) 音楽: Yo-Yo Ma 出演: 蔡 琴、侯孝賢
(平3牯嶺街に先立つ昭60の台湾映画。ことばは台湾語なまりで聞き取りにくい。説明が一切なく、登場人物の視点で出来事を見せられる。そして唐突で不条理な傷害事件。牯嶺街に共通する、エドワード・ヤン監督躍如の作。)


読 書:

<図書館などから借りて読了>


300128 新軍事学入門 平和を望むなら、戦争の準備をせよ   (飛鳥新社、平成27年刊)   語り 飯柴智亮、佐藤優、内山進、北村淳、佐藤正久 聞き手 小峯隆生
(中国や朝鮮との戦は一義的に空と海の戦いであるべきであり、日本の陸軍もミサイル部隊を主力とすべし、大東亜戦争ですらなかった本土決戦を前提にした戦車隊は今や無意味で、現在の陸軍主力の日本軍を海・空軍主力の軍に再編すべしと個々の指摘が光る。しかし最後に佐藤優が曰く、何だかんだって言ったところで創価学会・公明党が動かなかったら日本政府はな~んも動けんのよと嘲笑いでドッと白ける本。)

300124 戦略思考トレーニング3 柔軟発想力    (日経文庫、平成26年刊)   鈴木貴博 著
(≪コンプライアンスが本当に重要なのは、社員の細かい行動よりも、経営陣の暴走を食い止めること。≫ ≪優秀なプログラマーのほうが「ぼーっ」としている時間が多い。プログラマーが実際に仕事をしているのは、実はぼーっと考えている時間であり、キーボード仕事は清書にすぎない。≫ 本能的に発動されるメンタルブロックをいかに回避するか!)

300120 戦略思考トレーニング2    (日経文庫、平成25年刊)   鈴木貴博 著
(FMラジオはRCAの技師が昭和10年に発明してたのに、FMが普及するとRCAのAMでの寡占が崩れる可能性があるからと、研究を抑制し、FM用の電波をFMラジオ局に割り当てないよう政府に働きかけたんだって。)

300118 戦略思考トレーニング    (日経文庫、平成25年刊)   鈴木貴博 著
(コンサルタントは、半年かけて事業戦略を構築するにしても、じつは初日に最終提言を議論して決め、あとの時間はその仮説の検証・補強のために使うんだって。)

291213 結局、勝ち続けるアメリカ経済 一人負けする中国経済    (講談社+α新書、平成29年刊)   武者陵司 著
(金利をGNP成長率が上回れば借入金による投資が活性化し経済が上向く、という公式が分かりやすい。米国が価格競争の激しい工業製品の輸出を放棄しオンリーワンのプラットフォーム産業を経済の中心に据えたことで、日本との関係は相互補完的となり、もはや日米経済摩擦の要因は無くなった。しかも米国はドル高でも生きていける国になったので、ドル高路線で経済規模を拡大する。いっぽうこれまで「タダ乗り」で成長してきた中国は価格競争の激しい工業製品輸出以外では国際市場に出られておらず、この先は一人負けだ。武者陵司節は分りやすくて説得力あり。)

291209 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱   (中公新書、平成28年刊)   呉座勇一 著
(マイクロポリティクスの集積。足利将軍を有力守護大名が在京して支える体制が崩壊することで、大名とその数多の従者が領国で政治を行うようになり、これが文化伝播の基になった。単に公家が京から一時疎開していたからではなかったわけだ。美術館で多々見てきた洛中洛外図屛風が、理想の京を描いた絵空事だったというのも驚き。興福寺が大和国の守護に相当するポジションを享受していたとは。つくづく別格の寺である。)

291207 【図録】植民地朝鮮に生きる 韓国・民俗問題研究所所蔵資料から   (岩波書店、平成24年刊)   水野直樹・あんざこ由香・酒井裕美・勝村誠 編著
(さすが岩波書店で、何でも日本のことは否定的かつ斜に構えて見る。≪就労詐欺などで中国・南洋の部隊や戦場に連れていかれ「慰安婦」にさせられた女性たちの中に、朝鮮人女性も少なくなかった。≫(114頁)とあるが、「部隊に連れて」いったわけではない。部隊のソトである。「朝鮮人による就労詐欺めいた勧誘で」とハッキリ書いたらどうだ。)

291128 庶民たちの朝鮮王朝   (角川選書、平成25年刊)   水野俊平 著
(参考文献のほとんどが韓国人の手になるものであるが、李氏朝鮮時代について戦前に日本人が書いたはずの文献がまったく無視されている。漢字熟語にやたら朝鮮音のルビをふってあるのも気持ち悪い。肉が食えぬ代わりに、現代よりたくさん米の飯を食って蛋白質をとっていた、というのも信じがたい。経済学的傍証が欲しい。)

291123 陸王   (集英社、平成28年刊)   池井戸潤 著
(テレビドラマをようやく追い越せた。それにしても、名配役なり。)

291119 中国はなぜ軍拡を続けるのか   (新潮選書、平成29年刊)   阿南友亮(あなみ・ゆうすけ)
(名著。中国の経済政策が1980年代以来、共産党幹部を特権階級に仕立てた社会矛盾が、党軍に頼るしかない軍拡中国を固定化した。そもそも共産党が昭和24年に政権を取ってからもしばらくは、行政は党軍がになっていて、並み居る革命の元勲らは軍人揃いだ。筋金入りの軍国主義国家だったわけである。「漢人」というのが、清朝において満・蒙・蔵以外の被支配人民を指す概念であり、単一民族というわけではなかったという指摘にも納得。)

291110 リベラルという病   (新潮新書、平成29年刊)   山口真由 著
(日本の民進党や朝日・岩波を批判した掃いて捨てるほどある本かと思ったら、さにあらず。米国のリベラルとコンサバの対立軸を解説した、稀有な良書である。)

291106 仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること   (講談社+α新書、平成29年刊)   鈴木貴博 著
(深層学習で人工頭脳が飛躍的に進歩を続けて人間の知的労働を駆逐するも、メカニカルなところは進歩が遅いので意外にも低賃金の手作業は最後まで残る職業だという。ロボットが低コストのままだと人間が駆逐されてしまうので、それを阻止するには国際協定に基づいて各国政府が産業用ロボットや産業用AIには賦課金を掛けて、それをベーシックインカムとして国民に還元するのがよい、という論は新鮮だが、抜け駆けする国を阻止する対策が難しいね。)

291102 閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済   (集英社新書、平成29年刊)   水野和夫 著
(「飽くなき蒐集」が本領の資本主義が、地球上においてフロンティアが無くなったことにより成長不能の最終段階を迎えている。広がりすぎた戦線を閉じて、地域国家・地域共同体を主体とする世界に戻すべき、という論。グローバル経済や主権国家は、サイズ的に問題ありと。賢い立論なのだが、抽象論の蒸し返しが随所にあるのが惜しまれる。もっと多く具体例の提示がほしい。)

291019 魂の退社 会社を辞めるということ。   (東洋経済新報社、平成28年刊)   稲垣えみ子 著
(最後まで朝日新聞への愛を語る不器用な女性の能天気な手記。個別政策への不満は省庁が癌だと分っていそうなものだろうに、やたらと「安倍首相」に対して呼び掛けるあたりが、退職してもなお朝日オンナなのである。)

291011 鳥肌が    (PHP研究所、平成28年刊)   穂村 弘 著
(現実の微妙なひだのヒリヒリ瞬間を集め描く。これを月刊誌に「鳥肌と涙目」と題して連載できる穂村弘さんの力量おみごと。)

291010 日本人には思いつかないイギリス人のユーモア     (PHP研究所、平成15年刊)   北村 元(はじめ)
(ネタ本となるジョーク集から訳出したジョークを9章に分けて各章冒頭に総論を加えることでサマになった本。|やはりイチオシはこれ:≪ある国会議員が海外の実情調査を行うために、ある小国の空港に着いた。空港で彼は多数の新聞記者に取り囲まれた。「売春宿の視察に来たのですか?」ある記者が聞いた。国会議員は一瞬躊躇した。が、無視するわけにもいかず、丁寧に聞き返した。「ここには売春宿があるのですか?」翌日の新聞の見出しはこうなっていた。「視察の政治家が質問。売春宿はあるのか、と」)

291008 習近平と永楽帝 中華帝国皇帝の野望    (新潮新書、平成29年刊)   山本秀也(ひでや)
(教育欠如の青少年期に怨念を膨らませ「大一統(=一統をとうとぶ)」の中華エーソスに己を委ねる習近平の内実が600年前の皇帝と類似する。国際教養のない独裁者が治める大国の末路を本書はあえて語らぬが。それにしても永楽帝の時代の死刑や拷問の凄惨さは、夢に出てくるだけでも怖くて目が覚めそうだ。)

291007 日本株「100年に1度」の波が来た!    (中経出版、平成25年刊)   武者陵司 著
(書名はキワモノっぽいが、内実はここ数十年の経済原理を分りやすく解きほぐした良書。諸外国に後れをとって相対的な金融引締めに陥っていた日本だが、黒田日銀総裁と安倍首相のタッグで円高が是正され、それまでの苦節20年で筋肉質になった日本経済がようやく開花する。日本の課題は「製造業の余剰人員受入れ先たるサービス業の価格デフレ」の改善にあり。)

291001 ドイツ語おもしろ翻訳教室    (NHK出版、平成19年刊)   太田達也 著
(よくできた実践中級文法。「名詞を立てる機能動詞」の項に、今後の学習の指針を得た。etw in Gang setzen とか in Kraft treten のような。ausdruecken とともに zum Ausdruck bringen を覚えよう。)

290930 ドイツ語音声学序説    (大学書林、昭和33年刊)   内藤好文 著
(英仏語とドイツ語の違いにも目配り。昭和33年の書でありながら、語尾の -den や -ten などの発音表記は曖昧母音に拠らず子音 n の音節化で処理していて、ぼくが使ってきた独和辞典よりも優れている。ドイツ語学界の保守性と怠慢が、この名著によってあぶり出される。)

290924 中国バブルはなぜつぶれないのか    (日本経済新聞出版社、平成29年刊)   朱 寧 著、森山文那生(ふなお)
(中国人が単なるバカだからこんなことになってるわけじゃないよ、と世の納得を求めるのが本書のメッセージの9割だが、結論的には ≪このままだと中国における流動性の増加は数年のうちに鈍化し、中国資本は対外投資に充てられるようになるだろう。≫ ≪環境問題への対処、市民満足度の向上、地域社会づくりへの参画、教育制度・医療制度の改革などはすべて取りやめ、もしくは後回しにして、代わりに唯一絶対の目標である「経済成長」を追求した結果、中国経済はめざましい成長を成し遂げた。しかし代償は安くない。それを償却するには今後何十年もかかることを心に留めておく必要がある。≫ ≪失敗こそが、中国の「暗黙の保証」問題を解決する唯一の道であり、中国経済と金融システムを救い、立て直すための方法だと言えよう。≫ 著者・朱寧氏は、ソフトランディングのための方策を書いており、本書は中国の官僚たちも共感をもって読んでいるらしいが、それを実現させる胆力と頭脳を習近平は持っていないとぼくは思うね。)

290829 夢を売る男    (太田出版、平成25年刊)   百田尚樹 著
(書きたくてたまらない人たちをダシにする出版業者のドタバタもの。うちの彼女が「読め」というので、もっと身につまされることが書いてあるかと思ったら、さほどではない。まぁ自己顕示欲が執筆の情熱の原点だというのは、みんなそうじゃないの?)

290827 ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング    (ダイヤモンド社、平成28年刊)   Itamar Simonson/Emanuel Rosen 著、千葉敏生(としお)
(マーケターがいくらコピーライティングを頑張ったところで、ウェブ上の評判のちからがウソを駆逐し、ほんとうの実力勝負の時代になる、という話。ブランドにあぐらをかく時代は終わったということだ。)

290825 急に不機嫌になる女 無関心になる男 「男と女のすれ違い」を解決する驚きの最新医学    (青春出版社、平成29年刊)   姫野友美 著
(蛋白質と脂肪摂取のだいじさを、いろんな切り口で解説。栄養学も日夜進歩があるようだ。亜鉛とヴィタミンD もサプリで補うといいみたい。)

290822 赤い指   (講談社、平成18年刊)   東野圭吾 著
(リアリティで読ませるが、最後に明かされるお婆ちゃんの行動が嘘っぽく思えて、がぜん「理窟で構成する小説」になってしまった。)

290820 ヘタでも通じる英会話術   (PHP新書、平成18年刊)   晴山(はれやま)陽一
(「会話」を云々する以前にクリアしておきたい、人と人とのコミュニケーションって何? というところを取り上げる。We Japanese . . . の類い、たしかにこれを言われると不愉快だよなと思う。後半は日本語にふりまわされた誤表現の数々。)

290818 アタマがどんどん元気になる‼ もっと脳の教化書 2   (あさ出版、平成27年刊)   加藤俊徳(としのり)
(わくわくしたい、聞きたい、見たい、分りたい、話したい、動きたい、はじけたい…欲求が低下すると脳は衰える。あきらめないで、ギラギラしよう。)

290816 アタマがみるみるシャープになる‼ 脳の教化書   (あさ出版、平成22年刊)   加藤俊徳(としのり)
(自主性がだいじ! 殻を破って、いろんな経験をすることで脳を鍛える。記憶力が低下したら、思考力を鍛えると衰えていた海馬の働きも回復。)

290815 名画は嘘をつく   (ビジュアルだいわ文庫、平成26年刊)   木村泰司 著
(日経のコラム「十選」シリーズのような楽しさ。西洋の有名画家どうしの歳の差を意識させられた。)

290814 留学とホームステイのフランス語   (白水社、平成26年刊)   阿南婦美代 著
(8月12~15に午後3時間ずつ銀座七丁目の Comme les Francais でお盆レッスンをうけたので、補習用に読んだ。目的がハッキリしていてメリハリのきいた良書。)

290810 発達障害   (文春新書、平成29年刊)   岩波 明 著
(編集者・西本幸恒さんが『サイコパス』に次いで放ったヒット作。ASD と ADHD についての定義っぽい説明が何度も出てきて重複感あり。この辺をまとめて、記述を整理してほしい。また、章立てを入れ替えたほうがいい。第1~3章の総論が読みにくい。第4~5章の横道の章が読みやすいので、これを前に持って来てそこから帰納的に総論に持っていってはどうか。)

290805/07 ミレニアム 蜘蛛の巣を払う女 上/下   (早川書房、平成27年刊)   David Lagercrantz 著、Hellen-Halme 美穂・羽根 由(ゆかり)
(上巻はあまりに冗長。これを10頁ほどのあらすじにまとめてもらい、いきなり下巻から読み始められれば、それに越したことなし。最後は何とかキマっているが、できごとの流れも長々とした会話の数々も躍動感がそがれており、三部作著者 スティーグ・ラーソンの文才との差は歴然だ。)

290729 マーク・ピーターセンの英語のツボ Wit and Foolishness in English   (集英社インターナショナル、平成20年刊)   Mark Petersen 著
(1920~30年代に小説家・エッセイストとして The Vanity Fair や The New Yorker で活躍した Dorothy Parker という作家の文章、読んでみたい。名曲 I Left My Heart in San Francisco は同市の市歌になっているそうだ。粋な計らいだね。)

290728 英語で発見した日本の文学 古き良き日本語と、新しく面白い日本語   (光文社、平成13年刊)   Mark Petersen 著
(「英語」を客引きにした日本文学論。小津映画論もいい。|Mark Twain に『無邪気な外遊記』『人間とは何か』という名著があるらしい。『清水義範本人の愛好本』『ザ・対決』(清水義範)、『薬菜飯店』(筒井康隆)、『ブキミな人びと』(内田春菊 選)、『オヨヨ島の冒険』(小林信彦)。)

290725 定年後 50歳からの生き方、終わり方   (中公新書、平成29年刊)   楠木 新 著
(60歳定年制の義務化は平成10年だったとは|チャップリン曰「人生で必要なものは、勇気と想像力、そして少しのお金」|スポットコンサルティングサービスのことを知り、さっそく3社ほど登録した。)

290723 美味礼讃   (新潮社、平成29年刊)   Jean Anthelme Brillat-Savarin 著、玉村豊男 編訳・解説
(いちどは抱きたい女の味わい、かな。食に色艶がまとわりつく。玉村豊男さんの水先案内があるから読める本。牡蠣は、きほん1ダース単位で食べるものらしい。1グロスぺろりの世界なりと。玉村さんの解説部分によれば、甜菜による砂糖製造はナポレオンの大陸封鎖時に自国で砂糖をまかなうべく懸賞金を出して技術革新を促したもの。これにより西インド諸島の製陶業が打撃を受け、アフリカからの奴隷収奪が終焉したのだというから、歴史はあざなえる縄だ。)

290719 資本主義の終焉、その先の世界 「長い21世紀」が資本主義を終わらせる    (詩想社新書、平成27年刊)   榊原英資・水野和夫 著
(IT化・AI化がいくら進もうと、実物投資空間は広がらず総需要は増えないから、供給側のみ効率化して中間層が没落する。フロンティアの喪失で「より速く、より遠く」が意味を失い、「利息のつくカネ」=資本の時代ではなくなり、労働力削減で生まれる利益をアテにした株式投資が中心的位置を占めるに至る。)

290710 真鍋ドイツ語の世界 ―ドイツ語の語法―   (三修社、昭和49年刊)   真鍋良一 著
(関口存男ワールドにつながる、ドイツ語感覚を鍛えていただきました。ラテン系言語とは別の雰囲気の、森に分け入るような感じがドイツ語にはあるなぁ。)

290706 私の外国語修得法    (中公文庫、平成11年刊、原著 平成4年刊)    阿部謹也 編
(矢島翠さんによれば、ニューヨーカー誌の巻頭コラムが平明かつ品格があっていいそうだ。恥ずかしながらまだ読んだことがない。三木亘さん、中東やインドを旅したとんでもない才人だ。森崎和江氏、朝鮮人にひれふしていて見苦しい。)

290706 大東京繁昌記    (毎日新聞社、平成11年刊)   高浜虚子、岸田劉生、田山花袋ら12名の著
(昭和2~10年の東京人の語り。高浜虚子の丸ビルの記と、岸田劉生の飄々とした哲学が読ませる。)

290704 私の辞書    (丸善株式会社、昭和48年刊)   小林英夫 編
(高校生のころ図書館にあったが歯が立たなかった本。いま読むと、朝鮮語・トルコ語・インドネシア語等を取り巻く状況はまるで江戸時代のことでも読んでいるような調子で隔世の感。逆にポーランド語やフィンランド語などは、今も似たり寄ったりかなと思う。)

290627 男はなぜ急に女にフラれるのか?     (角川oneテーマ21、平成19年刊)   姫野友美 著
(男の脳は「解決脳」、女の脳は「共感脳」。たしかに、解決できないことでウダウダ話すのは嫌いだったし、話し合いより結論へ一直線を指向してきたね。|「女は男が想像するようなビッグな幸せを実は好まない。女はあまりビッグな幸せがあると、それと同じくらいビッグな不幸があるのではないかと不安になる生き物なのだ」|「男は自分が助けた女を好きになる」「男は自分だけの居心地のいい世界を築いてしまえば、その世界で完結することができる」)

290623 言葉はこうして生き残った   (ミシマ社、平成29年刊)   河野道和(こうの・みちかず)
(上質の書評にして文藝評論。自分の脳でしっかり感じとり、考えているから、人が生きることの襞に分け入って記した言葉が、生きていてわかりやすい。)

290603 「こころの定年」を乗り越えろ 40歳からの「複業」のススメ    (朝日新書、平成27年刊)   楠木 新 著
(「鳥屋籠(とやかご)」。山本七平さんが自著『無所属の時間』で紹介している鷹匠の教育法。鷹が鷹匠の指示に何でも従うようになると、初期の徹底訓練は終わり、鳥屋籠に入れられる。目張りされ、中が真っ暗な籠で数ヶ月間、餌は与えられるが闇と孤独の中で鷹は過ごす。鳥屋籠から出ると羽毛が抜けかわり、教えられたことは忘れて、全然ちがった鷹になる。鷹匠が教育を再開すると、はじめは野性に戻ったように手に負えないが、ある段階に来ると鷹はするすると、かつて教えられたことを思い出す。鷹は自らの判断で過去の訓練を生かし、ここではじめて一人前の鷹が出現する。→ 若いうちは我武者羅に頑張ったほうが中年以降の選択肢の幅を広げる。次のステップに行くには、挫折的な体験(=鳥屋籠)が大きな役割を果たす。|北野武さん曰く「老け方というかジジイになり方をちゃんと考えないとね。リタイアして何か見つけるってのは遅いよ。面白いことって、年季要るから」|「二者択一に帰着するのは追い込まれている状態」「意味を感じて仕事をしていない人は、自分の担当職務以外のことに関心を示さない」「もっと研鑽してから、とか、もう少し力をつけてから、という発言は、次のステップに踏み出した未来を成功か失敗かの二元論で考えている」「自分の失敗からは学べるが、他人の失敗から学べることはほとんどない」「日本の多くの会社組織では、数百人いる部下をリーダーシップで直接引っ張るのではなく、腹心の数名の幹部を掌握することによって組織を動かす」「いい顔で働いているひとに聞くと、好きなことを仕事にしているというより、せっかく生まれてきたのだからという姿勢で働いている」「組織での仕事は誰もができることをベースに設計されているので、若いときにまず自分を鍛えるのには恰好の舞台となりやすい」「大学ノートの左側の端に、日経掲載の市場指標を30項目以上書き、横軸に日付を入れて升目をつくり、毎朝、日経から数値をひとつひとつ転記したら、3ヶ月もすると金利、株価、金価格などの間の関連性や連動が肌でわかってくる」「ヒッピー族のコミューンが間もなく自然に消滅した理由のひとつは、老いとか死というものをコミュニティーの中に取り入れられなかったからだろう」)

290602 たったの72パターンでこんなに話せるドイツ語会話   (明日香出版社、平成27年刊)   山木喜美子 著
(全例文を音読した。|英・独の違いをまたひとつ知った。What do you think the weather will be like tomorrow? → Was glaubst du, wie das Wetter morgen ist? What do you think we plan? → Was glaubt ihr, was wir vorhaben? How old do you think I am? → Was glauben Sie, wie alt ich bin? )

290531 人事のプロが教える働かないオジサンになる人、ならない人   (東洋経済新報社、平成26年刊)   楠木 新 著
(「エラくなる人と長く一緒にやっていく能力」が自分にないと確信できたからフリーランスの道を歩めた、という著者の言に共感。日本のサラリーマン社会では、技能やスキルはそれほど見ず、「いっしょに気持ちよく仕事ができる人」「組織のパフォーマンスが上がる環境づくりができる人」が人事上も評価される。|「元気で働ける年齢を75歳とするなら」「残りの人生が30年あるならば」は、いずれも死を意識しながら逆算して自分の未来を考えている、と。|「好きなことを仕事にする」のではなく「自分を使って何ができるか」。|3年がひとつのメドをつくる。やはり1年や2年ではなく、5年でもない。)


<積ん読(つんどく)ほか、買って読了>

300203 常識の世界地図    (文春新書、平成13年刊)   21世紀研究会 編
(このテの文化ギャップ百科みたいな本や記事は、昔はよくあったが、いまは実際に著者やカメラマンが現地に行った探訪記事に取って代られたね。あるエジプト人の見立て: ニコニコして、やたら愛想がいいのが日本人; 目と口は動くものの顔に表情がないのが韓国人、と。これから注意して観察しよう。)

300128 努力不要論 脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本   (フォレスト出版、平成26年刊)   中野信子 著
(自分で何でもやろうとする人のことは、他人は助けないから、そういう人はリーダーになれない (!) ≪自分を見ていてくれた、見抜いてくれたからこの人のために何かしよう、自分ひとりでは小さな人生しか生きられないけれど「この人について行ったら自分の才能を生かせるかもしれない」と思わせる力が、優れたリーダーには必要です。≫ ≪才能があるかないかは、自分が持っている適性を知って、自分の評価軸を確立できているかどうかに尽きます。≫ ≪大人の脳でも新しく神経細胞が生まれるが、新しい刺激(=ヒトが楽しいと感じること、つまり「遊び」)が入らないとすぐ死ぬ。ヒトは努力よりずっと、遊びが必要な生き物。≫ )

300118 日本人が知りたいフランス人の当たり前 フランス語リーディング   (三修社、平成28年刊)   釣馨(つり・かおる)・武内英公子(えくこ)・Ghislain Mouton 著
(これまで「日本について」の Q&A 本はさんざん買ったが、好奇心への刺激がないから積ん読に終わっていた。現地事情を語るこのシリーズは、いい。ただし、同シリーズでも朝鮮語で書かれた『韓国人の当たり前』は、個々のテーマの設定がさっぱり面白くなくて、買う気がしなかったけどね。)

300108 近代絵画史(下) 世紀末絵画、ピカソ、シュルレアリスム   (中公新書、平成29年 増補版刊)   高階秀爾 著
(≪印象派は「写実主義」を追求する意図においてはアカデミスム以上に徹底していたが、まさにそれゆえに、印象派は結果的に写実主義の破産をもたらした。≫ そして写実主義の破産とともに、じつは古来から存在した素朴派・プリミティブアートが注目されるようになる。シュルレアリスムがじつは絵画よりも詩の世界でまず根付いたというのもおもしろい。イメージの偶然の出会いによる美がシュルレアリスム詩歌の本質だが、それって日本の連歌がすでにやってるよね。)

291230 近代絵画史(上) ロマン主義、印象派、ゴッホ   (中公新書、平成29年 増補版刊)   高階秀爾 著
(様式の桎梏からアートを解放するのに、ロマン主義の写実+想像力が果たした役割がいかに大きかったか。写実主義は、造形的意味においてより主題・モチーフの扱い方において革命的だった。そして、何よりもまず光をという印象派の追及はやがて画面から感覚的なもの以外の一切を排除することとなった。ついにゴーギャン曰く「印象派の画家たちは、自分たちの眼の周囲ばかり探し回っていて、思想の神秘的内部にまで入り込もうとしない。皮相的・物質的で、媚態だけからできあがった藝術であり、そこに思想はない」。ゴーギャンは、単なる外界の再現ではない、より心理的な内容をもった絵画を意識的に求めていた。ナビ派はそれを受け継いだ。)

291214 魔都の封印を解け! 世界エトランゼ街道    (防衛弘済会、平成20年刊)   大高未貴 著
(てっきり魔都・上海のことを語った本かと思って買ったら、それは最初のちょっとだけで、中国からパキスタン、アフガン、ドバイ、さらにエチオピアへと底辺をゆく旅。エチオピア人のメンタリティが日本人にけっこう似ているというのが意外。エチオピアの音楽も日本の東北を思わせるらしい。)

291129 連句恋々(れんれん)   (筑摩書房、平成4年刊)   矢崎 藍 著
(おとなとしていかに艶っぽく言葉の掛け合いができるかを、連句の多彩な形式で示す。式目の意義が腑に落ちる。)

291014 進化とはなんだろうか   (岩波ジュニア新書、平成11年刊)   長谷川眞理子 著
(生物は世代交代ごとに刻々と変化し、生物の「種」という枠じたいが相対的なものであることを納得させられる。144~153頁「タカ-ハト-ブルジョワゲームの利得行列」が実におもしろい。国際政治を考えるとき応用できる。皆がタカであればハトがましな場合があるが、いちばんいいのは自分の縄張りを決めて縄張りの中ではタカ、外ではハトとして生きること。安全保障の常識に収斂した。)

290927 連句のたのしみ   (新潮選書、平成9年刊)   高橋順子 著
(連句関連書を買い込んでいたが、ようやく紐解く時期がきた。≪よく歌仙を最初からスジを追って、ひとつの物語をたどるように読む人がいるが、その読み方は正しくない。1つの句はそれと隣り合った句に対してのみ意味をもち影響を与える。前句と並べて読んだときと、後の句と並べて読んだときと、微妙に表情の異なるところが面白いのである。≫)

290824 ちくま日本文学002 芥川龍之介   (ちくま文庫、平成19年刊)   芥川龍之介 著
(「地獄変」「鼻」「芋粥」「奉教人の死」など、恥かしながら初読。安部公房的な「河童」の毒に圧倒された。)

290710 お話 小さき人たちへ   (岩波書店、昭和15年刊、昭和50年に ほるぷ出版復刻)   野上彌生子(のがみ・やえこ)
(語りかけてくださる日本語が美しいし、ひとつひとつに実がある文章。「昭和15年」という時代の到達点をこの本で認識できる。)

290704 日本漢語と中国 漢字文化圏の近代化    (中公新書、昭和56年刊)   鈴木修次 著
("群学" は厳復による sociology の訳。"群" が society のこと。漢語としてはそちらのほうが素直。厳復は -ism に "宗" を充てたから、socialism は "群宗" となろうが「社会主義」より漢語らしい。漢語発展の本道が失われてしまったことへの哀惜の念ばかりつのる。新語格闘の切り口で明治時代の日本の知識人の息吹が感じられる本でもある。)


<平成280124 以降に購入・受領/読了>

290818 Oxford Learner's Pocket Word Skills    (Oxford University Press 平成24年刊)  Ruth Gairns/Stuart Redman 著
(文字通りポケット判だが、語彙補充・整理に最高だ。)

290818 F in Exams: The Best Test Paper Blunders    (Summersdale Publishers Ltd 平成20年刊)  Richard Berson 著
(Hilarious! これでネット上の英語講座がひとつできそう。)

290818 To Explain the World: The Discovery of Modern Science    (Penguin Books 平成27年刊)  Steven Weinberg 著
(3月に和訳『科学の発見』を読んだ。その原著。)

290719 漱石の漢詩を読む    (岩波書店、平成20年刊)  古井由吉(よしきち)
(すてきな講義録。お蔵入りの漱石の漢詩集とペアで読みたい。)

290719 漢字と文化    (徳間書店、昭和51年刊)  藤堂明保 著
(いま一度、藤堂師の謦咳にふれるべく。)

290719 堀辰雄 杜甫詩ノオト    (木耳社、昭和50年刊)  堀辰雄 訳文、内山知也 解説
(井伏鱒二の洒脱な和訳とは異なり、近代自由詩ふうに綴った堀辰雄の杜甫読みだ。)

290719 漢文訓読の基礎    (教育出版、昭和60年刊)  中澤希男(まれお)・澁谷玲子 著
(用例が豊富に配された良著。自分の漢文の知識を総ざらえしてみたい。)

290713 Collins easy learning Polish Dictionary    (HarperCollins Publishers 平成25年刊) 
(このシリーズの仏・独・西版などは結局宝の持ち腐れにしてきたが、このポ版はまさにお待ちかねの学習単語集の出来という趣きだ。もうちょっと多言語版並みに印刷がよかったらベストだったね。)

290626 中国語イラスト辞典    (三修社、平成29年刊)  呉月梅 編
(明らかに中国人の手になるイラストなので、日本人が見過ごしがちなところも含め完璧に中国世界を再現しているのがいい。CG と手描きの融合が、ときに のけぞりそうな効果もはらみつつ、とにかく日本人では描けない世界を紡ぎ出す奇書。)

290626 日本人が知りたい中国人の当たり前    (三修社、平成28年刊)  林松濤・王怡韡(おう・いい)・舩山明音(あかね)
(とてもいい漢語読本。モノローグとディアローグを交互に展開しているのもいい。)

290618 We go to the gallery / We go out    (Dung Beetle Ltd, London 平成28年刊)   Mirian Elia 著
(ブラックなパロディ絵本の極北。イギリスのユーモアの尖端でもってアートを斬る。)

290617 Deutsch als Fremdsprache - Learner's Dictionary German-English・English-German   (Hueber Verlag, Munchen 平成21年刊)   Juliane Forssmann 主幹
(秀逸なる学習辞典。独英も英独も、つとめてドイツ語の用例を掲げる。英訳を添えていないから、より多くの用例が収録できる仕組みだ。発音表示も母音の曖昧化を明示し、現実のドイツ語に忠実。この名著が日本の書店に並んでいないのは残念。バーゼルの大書店 Bider & Tanner で見つけた収穫だ。)

290616 Kochen & Geniessen mit Loriot / Reisen mit Loriot    (Diogenes Verlag, Zurich 平成29年刊)   ? 著
(ブラックユーモアもの。きまじめな感じがフランスとちょっと違うね。)

290616 Dr glai Brinz [Baaselduitschi Ussgoob]     (Lenos Verlag, Basel 平成28年刊)   Antoine de Saint-Exupery 著、Anne Burri 訳
(『星の王子さま』のバーゼルドイツ語版。標準ドイツ語が透けて読めるのがおもしろい。いわゆるスイスドイツ語よりも標準ドイツ語からの乖離が大きい。)

290609 日本人が知りたいドイツ人の当たり前     (三修社、平成28年刊)  鎌田タベア・柳原伸洋 著
(とてもいいドイツ語読本。モノローグとディアローグを交互に展開しているのもいい。)


CD:

290516 Max Bruch: String Quintet in E flat major, String Quintet in A minor, String Octet in B flat major  (Hyperion Records 平成29年刊)
(英国の The Nash Ensemble が平28年4月にロンドンの教会堂で演奏したもの。作品は 1918/20年作。)

290516 Joseph Haydn: String Quartets "The Lark" "Emperor." W.A. Mozart: String Quartet "The Hunt"  (Deutche Grammophon 原盤 昭和39・49年、CD 平成24年刊)
(演奏は、英国で昭和23年結成・昭和62年解散の Amadeus 弦楽四重奏団。)

290516 Rimsky-Korsakov: Scheherazade. Borodin: Symphony No.2  (Decca Music 原盤 昭和55・59年、CD 平成21年刊) 
(ロシア5人組のふたりの 1888年と 1877年作の交響曲を Kirill Kondrashin がオランダで指揮。)

290516 Mozart: Symphonie Nr.40 G-moll, KV 550; Symphonie Nr.25 G-moll, KV 183  (Sony Classical 原盤 昭和50年刊) 
(Bruno Walter がウィーン・フィルを昭和27年と31年に指揮した名演。)

290516 Beethoven: Symphony No. 9 "Choral"   (Warner Classics 原盤 昭和30年刊) 
(Wilhelm Furtwängler が66歳のとき指揮した、昭和26年7月29日、バイロイト音楽祭再開記念演奏会での入魂の演奏だ。)

290509 DAVID BOWIE [FIVE YEARS 1969 - 1973]  (Parlophone Records 平成27年刊) 
(デヴィッド・ボウイの初期アルバム8つと、新編集の RE:CALL 1 という2枚組アルバム、あわせて11枚のCDが小冊子とセットに。)

290502 Renée Fleming|Distant Light  (Decca Music 平成29年刊) 
(Samuel Barber "Knoxville: Summer of 1915" ; Anders Hillborg "The Strand Settings" ; Björk Guðmundsdóttir [ˈpjœr̥k ˈkvʏðmʏntsˌtoʊhtɪr] "Virus," "Joga," "All Is Full of Love" 演奏は Royal Stockholm Philharmonic Orchestra.)

290502 Sol Gabetta|Edward Elgar・Bohuslav Martinu チェロ協奏曲 ベルリンフィル ライブ  (Sony Classical 平成29年刊) 
(劇的な音楽。平26ライブ録音。指揮は Sir Simon Rattle. )

290502 寺下真理子|ロマンス  (King Records 平成29年刊) 
(バイオリンの甘美さと透明さが際立つ選曲。須関裕子さんのピアノとともに。すてきなジャズ トランペット。5人奏のニューオリンズ録音。)

290502 高澤 綾|Crescent City Connection  (King Records 平成29年刊) 
(すてきなジャズ トランペット。5人奏のニューオリンズ録音。)

290410 LA LA LAND  (Interscope Records 平成28年刊) 
(映画「ラ・ラ・ランド」を観た TOHO シネマズシャンテで購入。)

290408 ★ (= "Black Star")  (ISO Records 平成28年刊) 
(デヴィッド・ボウイ69歳の遺作となったアルバム。「デヴィッド・ボウイ展」で購入。)

290408 Lazarus  (Jones Tintoretto Entertainment 平成28年刊) 
(メロディアスな魅力に満ちている。)

290407 スラヴ賛歌 ~ ミュシャとチェコ音楽の世界  (キングレコード、平成29年刊、原盤 平成19年刊) 
(国立新美術館の「ミュシャ展」で購入。「スラヴ叙事詩」20点の大作群のチェコ国外初公開を見て、ムハへの認識が根本から改まった。)

290407 Smetana: Ma vlast (わが祖国)  (Warner Music 平成29年刊、原盤 昭和53年刊) 
(「スラヴ叙事詩」連作紹介の小冊子つき。)


DVD:

270430 睡蓮の人  (トモヤス・ムラタ・カンパニー、平成15年)
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